募集内容の傾向を知る
さあ。転職を決断したのであれば、まずは準備をしなければなりません。古い言葉に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。敵というわけではありませんが、ここでは相手となる採用側の最近の状況を知るところからはじめましょう。まずはよく耳にする看護師不足について知っておきましょう。ご存知の通り日本では、地域によって看護師をはじめとした医療関連の人材が不足しているところが増えています。人口の少ない地方だけでなく、大都市圏でもそうした傾向があります。これは人口に対する病床と医療従事者との比率を見ているのです。
例えば、医師が100人いたとします。この100人の医師が人口1,000人程度の小さな町にいたとしたら、それは供給過多であり、そこにある病院の数や規模にもよりますが、実際に働くことのできる医師は10人いないでしょう。しかし、1,000万人だった場合はどうでしょう。全員がフルに働いたとしても医師の数はとても足りそうにありません。こうした状況が各地で起こっているというのが大雑把な状況です。もちろん医師だけではなく看護師も不足しています。そして、こうした傾向はむしろ大都市の方が顕著に現れているのです。
とはいえ、例え売り手市場であっても採用側もきちんと人材として活躍できる人かどうかを見極めます。人様の健康を預かる仕事なのですから当然ですね。では、採用側にはどのような傾向が見られるのかを確認してみましょう。病院などが転職を希望する看護師に求めるのは、即戦力として働いて欲しいということです。先の通り看護師の絶対数は全国的に不足しています。そうであるがゆえに、新しい看護師が入ってきてもその人を教育するために人員を割くことが難しい状況なのです。そこで考えましょう。あなたにはどれくらいの看護師としてのキャリアがあるでしょうか。年数でその人の力量がはかれるわけではありませんが、採用側は概ね3年以上の経験のある人を求めています。
また、その3年以上のキャリアの中で、あなたがどのような業務を行い、どのような経験をしていたのかを知りたいと考えます。あなたが経験した業務が自分の病院でも生きるかどうかを注意深く確認しているのです。こうした状況ですから、まずは自分の看護師としてのこれまでを振り返るところから始める必要があります。そして、その中であなたにとって強みとなる部分を雇用側にアピールするための準備をしなければならないのです。